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採択!談合業者への賠償請求の軽減を求める請願

本日は千葉県議会最終日、各議案等の採決等が実施されました。

その中で、先日のブログでも言及しましたが、請願第34号「建設事業者に対する損害賠償請求の軽減を求めることについて」が賛成多数で採択されてしまいました。

請願内容は先日のブログをご参照ください。

(http://ameblo.jp/hajime-aminka/entry-12137688108.html)

当該請願の採択に係る見解について、以下に記載します。

いわゆる入札談合は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」が禁止するカルテルの典型事例であり、最も悪質な独占禁止法違反行為の一つであるとされています。

入札談合は、入札参加者間の公正かつ自由な競争を通じて、受注者や受注価格を決定しようとする、入札システムを真っ向から否定するものであり、特に発注者が県の場合には、県の予算の適正な執行を阻害し、納税者である県民の利益を損ねる行為です。

本県から入札談合を根絶するためには,このような認識が、特に事業者、そして発注者である県を含めた県民全般に広く浸透することが必要であり、本県においても、正に入札改革を進めているところとなっています。

こうした中、発生したのがこの請願の原因となった「山武地区談合事件」です。

平成26年2月、公正取引委員会は、本県が発注する土木工事等において、独占禁止法第3条の規定に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を発出しました。

実数ベースで、違反事業者35社、排除措置命令対象事業者30社、課徴金納付命令対象事業者20社、課徴金額2億2352万円という、大変大規模な談合事件でした。

それを受けて、本県においても、平成26年8月1日、違反行為があったと認められた208件の工事を対象として、受注業者19社に対して、総額11億93万4828円の賠償を請求しました。

ところが同月7日、事業者側は当該賠償金を納付することなく、県を相手に千葉簡易裁判所に民事調停を申し立て、今日に至るまで10回の調停の場が持たれているところとなっています。

このような中、千葉県建設業協会から提出されたのが、入札談合を行った事業者に対する損害賠償請求の軽減を県に対して求めるとする、今回の請願です。

そもそも、なぜ、事業者側が県への損害賠償金の支払い義務を負ったかといえば、事業者側が独占禁止法に抵触する入札談合をしたからです。

そして、入札談合に対する損害賠償金が最終契約額の20%であることが、高額だとするなら、最初から契約を締結しなければ良かっただけのことです。

現在、当該事案は簡易裁判所において、県執行部と事業者側で調停中の事案であり、当該請願が採択されたことによって、県政の二元代表制の一翼を担う県議会が、その意思として、県執行部に対し損害賠償請求の軽減を求める事となってしまいました。

今回の談合事件の背景には、建設事業者を取り巻く大変厳しい環境がその一つの要因としてあったのかも知れません。

しかし、他のすべての公共調達分野、例えば、清掃業務、警備業務、施設管理業務等も大変厳しい環境にある中で、コンプライアンスを順守し、公正な入札をしています。

そうした中で、法令順守を一番に進めていかなければならない県議会が、この事案だけを特別視して、当該請願を採択したことは、到底県民の皆様の理解を得られるものではないと考えます。

今回の請願の採択が、千葉簡易裁判所での調停に、何らかの影響を及ぼすことを大変懸念します。

千葉県議会議員

あみなか肇


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