指定廃棄物 解除ルール案が発表される
2016.02.18 - ブログ
○指定解除ルール案発表
2月4日、環境省から指定廃棄物の指定解除ルール案が発表されました。
原発事故から5年近くが経過し、指定廃棄物のうち濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下に減衰したものについて、国と自治体で協議のうえ指定を解除し、段階的に一般廃棄物として通常の処分場で処分するというものです。
指定廃棄物の濃度を現在再測定した場合、1キログラム当たり8千~1万ベクレルの指定廃棄物は指定解除になる可能性が極めて高いと指摘されています。この場合、千葉市が保管している指定廃棄物7.7トンすべてが8千~1万ベクレルであることから、すべてが指定解除になり、千葉市は実質的に指定廃棄物を有しないこととなります。
なお、指定解除に30年以上かかるといわれている、1キログラム当たり3万ベクレル以上の指定廃棄物(上の円柱グラフの「赤色」及び「オレンジ色」)を有しているのは、柏市(483トン)と東金市(130トン)となっています。
○茨城県で分散保管容認
また同日、環境省は茨城県における指定廃棄物の分散保管を容認すると発表しました。
茨城県の指定廃棄物の保管量は3532トン(千葉県は3690トン)と千葉県と同程度であるものの、濃度は千葉県よりも低いものが多く、およそ10年後には指定廃棄物は6百トンまで減少するとも指摘されています。
こうしたことから、環境省は、茨城県においては現在の状況で分散保管を続けることで濃度の減衰を待ち、その後指定解除をして通常の廃棄物として処分することで、指定廃棄物の総量を大きく減少させ、処理費用の低減を図るという手法を選択したものと考えられます。
環境省は千葉県については従来の方針を変えないとしていますが、実質的に指定廃棄物を有しないこととなる千葉市1カ所での受け入れは、人口密集地に極めて隣接していること、市町村長会議での環境省の強引な会議の進め方、選定手法への多くの疑問等があることから、当該方針の撤回・見直しを求めざるを得ないものと考えます。
千葉県議会議員
あみなか肇