激増 児童虐待 6万件超 20年前の42倍!
2014.04.07 - ブログ
児童相談所における児童虐待相談の対応件数の特徴として、近年その件数が激増していること、都道府県によって大きく偏在していることがあげられます。
つまり、対応件数はこの20年間で約42倍に激増し6万件を突破したこと、未成年人口1万人当たりの児童相談所における児童虐待相談の対応件数が、最も多い都道府県と最も少ないそれを比較すると、21倍近い開きがあることが分かります。
以下で、全国及び千葉県の児童虐待相談対応件数の現状について検証し、今後の児童虐待防止に向けた取り組みについて検討していきます(2週連続します)。
○20年で42倍増!全国の児童虐待相談対応件数
厚生労働省 各年「福祉行政報告例」等から作成
*平成22年度のデータは東日本大震災の影響により、宮城県、福島県を除いて集計した数値を掲載している。
図表1はここ20年間の全国の児童相談所における児童虐待相談の対応件数の推移をみたものです。
平成5年度には約1600件だった相談対応件数は、年を追うごとに激増し、その10年後の平成14年度には約2万3700件と約15倍に達し、さらにその10年後の平成24年度には約6万6700件に達し、平成5年度と比較して約42倍、平成14年度と比較して2.8倍に激増しています。
また、平成23年度から平成24年度にかけての相談対応件数は、約7000件の大幅な増加となっています。
以前は児童虐待が少なかったということではなく、近年において我々をとりまく児童虐待に対する意識の変化などによって、それまでは虐待と認識されていなかったことが、虐待と認識されるようになるなどの要因があるものと考えられます。
厚生労働省 「福祉行政報告例」から作成
図表2は都道府県別の児童相談所における児童虐待相談の対応件数の推移をみたものです。人口が多いこともあり、大阪府及び神奈川県が突出していることが分かります。次に埼玉県、東京都及び千葉県が続いています。
図表3 未成年人口1万人当たり都道府県別の児童虐待相談対応件数(単位:件)
厚生労働省 「福祉行政報告例」 及び 総務省統計局 「人口推計」から作成
図表3は都道府県別、未成年人口1万人当たりの児童相談所における児童虐待相談の対応件数をみたものです。
全国平均は29.5件となっており、千葉県の44.4件は全国平均を上回っています。
そして、最多の大阪府と最少の鹿児島県を比較すると、21倍近い開きがあることが分かります。
このように児童相談所における児童虐待相談の対応件数は、地域における児童虐待の実態を正確に反映しているとは言い難い面も有していることがわかります。
つまり、児童相談所の機能を強化し、地域における児童虐待への対応を充実させればさせるほど、相談対応件数も増加するということが考えられます。
したがって、相談対応件数が多いことが問題なのは当然としても、相談対応件数が少ないこともまた問題視することが必要ではないでしょうか。
≪次回へ続く≫
千葉県議会議員
あみなか肇