特養待機者1万9千人台に!
2015.01.19 - ブログ
千葉県の特別養護老人ホーム(特養)の待機者数(特養に入りたくても入れない者の数)の状況をみると、平成22年は1万7千人台、平成23~25年は1万8千人台で推移していましたが、平成26年は1万9千人台に突入してしまいました。
ここ4年間は2万人弱の待機者数で高止まりしており、平成26年7月1日現在では19,158人となっています。このうち、要介護認定4及び5の者は8,431人となっています。つまり、8,431人の方々は、要介護認定4・5と重度であり、かつ、特養への入所を希望しているにも関わらず、それがかなわない状況となっています。
平成26年7月1日現在の状況を市町村別にみると、待機者の多い5団体は下のとおりとなっています。
また、千葉県の特養の整備計画を見てみると、第4・5期高齢者保健福祉計画(平成21~26年度)においては、平成21年度末に16,309人であった定員を、平成26年度末には24,054人にまで、7,745人分増加させることを目標としています。
平成25年度末では、目標数21,424人に対し、実績20,617人と目標数に807人分足りていません。
現実的には、目標数を達成できていないどころか、2万人弱の待機者が存在しているところであり、この分野への集中的な行政資源の投入が不可欠な状況となっています。
整備計画は3年ごとに策定される、高齢者保健福祉計画で設定されることとなっており、現在は平成27年度~29年度を対象とした計画が、今年の3月に策定される予定となっています。
平成22年度県政に関する世論調査では「介護が必要になったとき希望する住まい方」として、約4分の3の方が、介護が必要になっても自宅に住み続けたいとしています。
これを可能にする在宅での介護・医療等の状況について、千葉県は、在宅療養支援診療所数は全国でワースト1位、訪問看護ステーション数は全国ワースト3位、訪問診療を実施する歯科診療所数は全国でワースト14位という状況になっています。
千葉県は今後全国でもトップレベルのスピードで高齢化が進むことが予想されていますが、これまでみてきたように、介護保険施設等の定員数が少なく、また、在宅での介護・医療のための資源も少ない状況にあります。
今後、引き続き、介護保険施設等の充実・整備をしていく必要があります。しかし、施設整備にはコスト面からの限界があることから、在宅での介護の充実も同時に強力に推し進めていく必要があります。
また、認知症高齢者の増加、地域包括支援センターの整備・機能強化、介護人材の確保・養成など介護分野における課題は山積しており、今後の適切な対応が求められています。
千葉県の介護にとっては今後の10年間が重要になります。このためにも、少子高齢化の進展する中、介護サービスの確保に実効性のある政策を展開し、介護サービス供給体制の底上げを図らなくてはなりません。私たちは、安心して老後を過ごすことができるような千葉県を共につくっていかなくてはなりません。
千葉県議会議員
あみなか肇